上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
51kKDTF8-LL__BO2,204,203,200_PIsitb-sticker-arrow-click,TopRight,35,-76_AA300_SH20_OU09_

邦題「ハチは何故 大量死したのか」

巣箱をあけるとハチがいない。
大量の幼虫と蜂蜜を残して 何万もの蜂が失踪してしまった

2007年 春までに北半球の1/4のハチが消え、
南半球にいたっては 壊滅的な状態に陥った。

2006年頃から問題になっているミツバチの大量失踪について。
すごく内容の深い本でした。

抗生物質や環境ホルモン、放射線物質などあれこれで
整えられたような汚染されたような環境にいる人間にも
つながる話だと思って読みました。

自分の感想より福岡 伸一さん(分子学者)の解説が良かったので 
そのまま転記します。



自然界における動的平衡

頭が痛い、お腹の調子が悪い、風邪をひいた、咳が出る。
頭痛薬、整腸剤、風邪薬、去痰剤・・・。

何かと言うと、私たちはすぐに薬を飲む。そして治った気分になる。
この間に起こったことは何だろう。
生命現象における動的均衡がいっとき乱れ、そのシグナルとして
不快な症状が表れ、まもなく均衡が回復されたのである。

薬が何かを直してくれたわけではない。単に、不快な症状が表れるプロセスに介入して
それを阻害しただけである。
ひょっとすると その介入は、動的均衡状態に介入して、復元を乱しただけかもしれない。

動的平衡は生命の固体一つに留まっているわけではない。平衡が動的である、との意味は
物質、エネルギー、情報のすべてが絶え間なく周りとの間で交換されていて、
その間に精妙な均衡が保たれているということである。
動的平衡の網目は自然界全体に広がっている。

自然界に孤立した「部分」や「部品」と呼ばれるものはない。
だから局所的な問題はやがて全体に波及する。

局所的な効率の増加は、全体の効率の低下をもたらし、場合によっては
平衡全体の致命的な崩壊につながる。

この本を読みながら、私はずっと二重写しになっていたことがある。狂牛病の問題だ。
狂牛病渦は、食物連鎖という自然界のもっとも基本的な動的平衡状態が人為的に
組み換えられたことによって発生し、その後の複数の人災の連鎖によって
回復不可能なほどにこの地球上に広まった。


乳牛は文字通り、搾取されるために間断なく妊娠させられ続ける。
そして子牛たちは、生まれるとすぐに隔離される。
ミルクは商品となり、母牛の乳房を吸うという幸福な体験を覚えた子牛を
母牛から分離するのが困難になる前に。

子牛たちを出来るだけ早く、出来るだけ安く、次の乳牛に仕立て上げるために
安価な飼料が求められた。

それは死体だった。病死した動物、怪我で使い物にならなくなった家畜、
廃棄物、これらが集められ、大なべで煮、脂をこしとった後の肉かす。
それを乾燥させてできた肉骨粉。

これを水でといて子牛たちに飲ませた。
死体は死因によって選別されることもなかった。そこにはあらゆる病原体が紛れ込んだ。
それだけではない。
安易にも人は燃料費を節約させるため、原油価格が上がると、
工程の加熱時間を大幅に短縮した。
こうして羊の奇病であるスクレイピー病に罹患して死んだ
羊の死体に潜んでいた病原体が牛に乗り移った。

消化器官が未完成の子牛たちに感染することなど
病原体にとって簡単だったに違いない。
ほどなくして病原体は牛を食べたヒトにも乗り移ってきた。
草食動物である牛を、正しく草食動物として育てていれば、羊の病気が
種の壁を乗り越えて牛やヒトに伝達されることはけしてなかった。

牛が草を食べるのは自然界の中で自分の分際を守ることによって
全体の動的平衡を維持するためである。
38億年の時間が、それぞれの生命にそれぞれの分際を与え
その関係性に均衡をもたらしたのだ。

植物と昆虫の共生関係は、自然界の動的平衡が最も精妙な形で
実現されたものだといっていい。
花はヒトを和ませるためにあるわけではない。
虫たちの心を捉えるため、進化が選び取ったものである。

もし私たちが和むとすれば平衡の精妙さのためであるべきだった。
私たちはその観照をたやすく放棄して、ただ ひたすら効率を求めた。

高収入をもたらすアーモンドのため、オレンジの受粉のために。
ミツバチは完全に工業的なプロセスに組み込また。

極端に生産性を重視したハチの遺伝子的均一が進められ、
病気や寄生虫から守るため 各種の強力な薬剤が無原則に
使用された。

この結果 何がもたらされたのか。

それがやってきた。

狂牛病のケースと同じく人為が作り出した新たな界面の接触を利用して 
たやすくハチに乗り移ってきたのである。

ハチは狂いだした。

細かく役割分担されていた集団の統制が たちまち乱れ
ある日 一斉に失踪する。
女王蜂とおびただしい数の幼虫が残され、巣は全滅する。

病原体の正体はなお明らかではない。
この点も狂牛病と似ている。
病気の媒体として ある種のウイルスが関与しているようにもみえる。
崩壊した巣箱を再利用すると 新しいコロニーもまったく同じ症状に陥るから。

スクレイピー病が発生した草地で、新たに羊を飼うと
感染が起こることとも酷似している。
原因が未知のウイルスなのか その他に原因があるのか今後の研究に期待するしかない。

私たちはどうしたら良いのだろうか。
病気に対して 手当たり次第、薬を飲むごとく 
操作的な介入を行うごとき行為の果てに答えは存在しない。

答えは自然界が持つ動的平衡の内部にしかない。

ロシアのミツバチが、身をもって示したことは何だったか。
病気への対応は乱された動的平衡状態が、
次の安定状態に移行される過程で見出される復元力としてしかあらわれることことはない。

本書の最も重量なメッセージはここにある。
復元もまた動的平衡の特質であり、本質なのだ。

事態はさらに深刻であり逼迫している。
私たちは復元力さえ損なうほど 自然を撹乱しているかも知れないのだ。

ある人が私に言った言葉が忘れられない。

狂牛病を防ぐにはどうしたら良いのか。

それは簡単なことです。

牛を正しく育てればいいのです。





今回は ファッションと関係ないけれど蜂の話でした。
でも、自然界において「部分」というものがないなら
私たちもまた 自然界にいるはず。

自然界の一員という分際をわきまえた範囲でファッションを楽しみたい、と
思うのでありました☆

よろしければランキング投票に1クリックお願いしま~す。




ブログランキング・にほんブログ村へ

スポンサーサイト
コメント
ちかおばちゃん
そう、原発にもユッケにも大元でつながる。
そう感じたのは 私だけじゃなかったんだ、と
今 すごく 嬉しいです。

ずっと前から読みたかったんだけど
図書館で いつか出会えたら、なんて
気長に構えていたので(- -;)

テレビでは 見たことないですけど
そっか、よくテレビに出ている方なんですね。。。
2011/05/12(Thu) 16:12 | URL | Akiko | 【編集
福岡伸一さん
その本は2年前に読みました。
ブログにも本のタイトルでアップしてます。(2009.9.4の記事)
原発にも、ユッケの食中毒にも大元でつながりますね。
この解説、福岡伸一さんだったのね。
「生物と無生物のあいだ」がベストセラーになって以来、
テレビの教養バラエティ番組にひっぱりだこだけど、ルックスをみて文章から受けるイメージとのあまりの違いに、「あ~」って思ったのはきっと私だけではないはず・・・
2011/05/11(Wed) 14:01 | URL | ちかおばちゃん | 【編集
コメントを投稿
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可
 
トラックバック
この記事へのトラックバック
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。
関連エントリー